今回紹介させていただくのは、朝比奈あすか・作「憂鬱なハスビーン」です。
 生き方というものは人それぞれですが、コミュニケーション力というものは何処にでも応用が利く重要な能力です。この作品の主人公は、その力が育たなかったために、大変な苦労をするのです。

 主人公は、元は東大出のOLで、結婚と共に退社して失業保険を貰って生活していました。
 東大出、結婚退職。これだけ聞くと、さも順風満帆な人生に聞こえるかもしれません。しかし主人公はそうではありませんでした。

 主人公は少女時代、ある学習塾に必死で勉強して入塾し、勉強ばかりして過ごしていました。友達はほとんどできず、ただただ勉強という行為にのめり込んでいきました。成績はどんどん上昇し、結果東大に入学するのです。

 しかしある日再会した、当時目標にしていた秀才に「君は、世間の上澄みを生きてきたんだろうけど、どう見ても今、幸せな顔してないじゃん」と核心を突かれるのです。その秀才はかつての面影がないほどに落ちぶれていました。主人公はその姿に自分を重ねたかもしれません。

 主人公は義母とも上手くいかず、実母には仕事をしろとせかされます。コミュニケーション力の欠如から、近所付き合いも乏しく、何より子供を作りたがりません。狭い世界で勉強ばかりの単調な人生をおくっていたため、自分が子供を育てる未来を想像できないのです。旦那は直向きで互いに愛し合っていますが、主人公は己の不器用さに押しつぶされ、結局幸せになれないのです。

 単調な人生は視界を狭めます。実は細かいところにも幸せの種は転がっているのかもしれません、それを上手く掴めない主人公の悲劇性が際立っています。共感を持てるかもしれない、と少しでも思った方、是非手に取ってみて下さい。
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三国志

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No title

これ読みました!
群像対策の一環だったんですが、小さい頃に勉強ばっかりしてたあたりが自分とだぶってかなりの共感度でしたw落ちぶれた秀才のインパクトも良かったですねー

名前: 佐川恭一 [Edit] 2012-06-08 00:36

佐川さんへ

佐川さん>

佐川さんが自分の過去をそんな風に言っているのを聞いていたので、おススメしたいと思っていたのですが、もう読まれていましたか。確かに群像でした。
逆に僕は全然勉強しない子だったので、こういう悩みもあるのだと興味深く読ませていただきました。

名前: 佐久本庸介 [Edit] 2012-06-08 17:37

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