こんばんは。今回も早速お勧めの本を紹介させていただきます。

 今回紹介させていただくのは、バルザック・作「ゴリオ爺さん」です。
 古典作品の傑作ですが、古典ゆえに名前すら知らなかった人も多いのではないでしょうか。この作品、ゴリオ爺さんという「父親」を通して、愛の悲惨さが書かれています。

 中流下宿で年金生活を送っていたゴリオ爺さんは、日に日に財産を切り崩し、貧乏になっていきます。それは何故か、上流階級の夫人となっていた二人の娘が、金に困るたびに身を削って援助し続けていたのです。

 娘たちはゴリオ爺さんが自分たちのためにいくら貧乏になってもほとんど気にかけません。娘たちと離れて暮らさねばならないだけでも辛い境遇なのに、報いのない援助を続けるゴリオ爺さんは悲惨です。

 そんな中、今作のもう一人の主人公であるラスティニャックが登場します。彼は上流階級で出世することを夢見る学生で、その美貌と才覚を駆使し、上流階級に躍り出ます。その中で彼はゴリオ爺さんの二人の娘に接近していきます。

 ラスティニャックが娘二人と関わりがあることを知ったゴリオ爺さんは、ラスティニャックからとにかく娘たちの話を聞きだします。それを聞くだけで幸せのあまり狂喜するゴリオ爺さんに、病的な愛を感じるのです。

 ラスティニャックはラスティニャックで、ゴリオ爺さんの娘と共に貴族的生活に浸っていき、いつしか借金までこしらえるようになります。彼は波に呑まれるばかりで、なかなかかんばしい成果をあげません。そしてゴリオ爺さんの二人の娘も、夫に良いように扱われ、上流階級にありながら不幸な女として生きています。

 娘たちは自分の不幸に支配され、ゴリオ爺さんの不幸など後回しにしています。しかしゴリオ爺さんは自分の全てを娘に捧げています。この齟齬が悲劇を生むのです。愛されたいなら、もっと利口なやり方があったのに、と。しかしゴリオ爺さんは不器用な人でした。

 ゴリオ爺さんのストーリーは孤独な死と共に終わりを迎えます。しかしこの小説には二つのストーリーが同時展開しています。もう一つのストーリーがどう進み、どういう締めを迎えるのか、是非その目でお確かめ下さい。
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万城目学「ホルモーシリーズ」

GW

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